糖尿病の検査法

糖尿病の検査法について

糖尿病は初期のうちは自覚症状がほとんどありませんので、糖尿病を発症しているか、あるいはその傾向にあるかを調べるには検査を行う必要があります。検査法には血糖値検査やHbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー)など様々な方法があります。

血糖値(検査)

血糖値とは血液中にあるブドウ糖の濃度を言います。血糖値を下げる役割を果たすインスリンと呼ばれるホルモンの分泌が不足すると高血糖になり、糖尿病になります。
血糖値の検査を行うには、まず採血を行い、血液中にあるブドウ糖を計測します。血糖値は食事をすると変動しますので、多くの場合は空腹時(通常は10時間以上何も食べていない状態)に行います。
空腹時血糖の基準値は、70~109mg/dlで、100~109 mg/dlの値が出た場合は正常高値と言われ、将来的に糖尿病を疾患する可能性が高いので、日頃の生活習慣の改善や肥満の是正などを行うことがあります。
基準値より高値の場合は、糖尿病のほかに先端巨大症、クッシング病、肝疾患などの発症あるいは、その兆候が疑われます。一方、低血糖の場合は、インスリノーマ、肝硬変などの疾患が疑われます。
空腹時でない時に検査を行う場合は、随時血糖値と呼ばれ、140mg/dl未満が通常値となり、200mg/dl以上の値が出たら、糖尿病を発症している可能性があります。

ヘモグロビンA1C(HbA1C)

血糖値が高くなると、ブドウ糖は赤血球中のヘモグロビン(Hb)と結合します。この状態をヘモグロビンA1C(HbA1C)と言います。血糖値が高くなるほどHbA1Cが作られる割合も高くなり、その割合の数値は採血を行うことで測定できます。
HbA1c検査は過去1~2ヵ月における血糖の平均的な状態を知ることができます。すでに糖尿病を発症している患者さんの血糖コントロールの様子を確かめたり、糖尿病を診断する場合などに用いられます。
健診などでHbA1C検査はよく行われますが、基準値は4.9~6.0%と言われ、基準値より高値の場合は、糖尿病や糖尿病予備軍状態、あるいは肝炎などが疑われます。また、低値の場合は、貧血や慢性腎不全などが疑われます。

膵自己抗体

膵臓がインスリンを分泌できなくなる疾患を1型糖尿病と言いますが、この病気かどうかを診断する際に用いられる検査です。1型糖尿病は、インスリンを産生する膵臓のβ細胞が破壊されることでインスリンが分泌されなくなる状態を言います。
このβ細胞が破壊される原因は、まだはっきりとはわかっていませんが、免疫反応が正しく働かずに自分の細胞を攻撃(自己免疫)しているのではないかと考えられています。なかでも抗GAD抗体が膵臓にあるβ細胞を自ら攻撃している抗体ではないかとされており、採血による血液検査でこの抗体の測定をし、Ⅰ型糖尿病であるかどうかの診断を行います。

尿中アルブミン測定

糖尿病の三大合併症である糖尿病性腎症をはじめ、尿路系や腎臓の異常を診断するときに行われる検査です。尿の中には健康な方であってもたんぱく質が含まれていて、そのたんぱく質の中にアルブミンがあります。アルブミンは、腎臓の皮質にある糸球体に障害が起きる疾患などを検査するのに適していると言われています。
検査は排尿による測定となります。尿中のアルブミンが増加している時は、糖尿病や腎あるいは尿路系の疾患に罹っていることがあります。また、たんぱく尿検査よりも尿中アルブミン測定の方が、ごく微量の尿中アルブミンの検出によって糖尿病性腎症の発症を早い段階からつかむことができます。とくに糖尿病を発症している場合は、合併症を防ぐことが重要ですので、この検査を行うことで、血糖値のコントロールに努めるなど早めの対応をとることができます。