ドクターインタビュー


INTERVIEW

コモンディジーズから
がん、指定難病まで、
誠心誠意の最先端医療を。

吉田行哉(よしだ・ゆきや)

消化器内科〔内視鏡〕・一般内科

1978年3月
慶応義塾大学医学部卒業
1978年4月
虎の門病院内科研修医
1985年4月
虎の門病院消化器科医員
1993年4月
三宿病院消化器科医長
2000年4月
三宿病院消化器科部長
2010年12月
三宿病院消化器科部長 兼
健康医学管理センター長
2017年より現職

消化器内科

診療の基本方針

咽頭から肛門までと診療対象を広く定め、お腹や胸の症状を診断し、悪性疾患や腫瘍性の病変、がんの早期発見には内視鏡を駆使する。潰瘍性大腸炎(UC)、クローン病(CD)といった指定難病患者も受け入れ、最先端の薬物療法を提供。精確な検査とEBMに則った治療をスピーディに提供し、働き盛りからリタイア世代までをしっかりと支える医療を展開する。

対象となる症状・疾患

  • 食欲不振、体重減少、倦怠感、発熱、上腹部や下腹部の腹痛や背部痛、上腹部のもたれ感・重圧感、腹部膨満感、便秘・下痢、血便、胸焼け・呑酸・咽頭部違和感など
  • 消化管(食道・胃・小腸・大腸)の病気(炎症やがん、ピロリ菌感染症)
  • 胆嚢・胆管の病気(胆嚢ポリープ、胆石症、胆のう炎、がん、閉塞性黄疸)
  • 膵臓の病気(急性膵炎、慢性膵炎、膵がん、腫瘍性膵嚢胞IPMN、自己免疫性膵炎)
  • 肝臓の病気(肝機能異常:肝臓のデータが高い、C型肝炎、B型肝炎、脂肪性肝炎NASH、脂肪肝、肝臓がん)
  • 脾臓・腹膜の病気(脾のう胞、脾腫瘍、腹膜炎、腹水)

スピード感のある診療と他科との連携

的確な僅差と治療を、待ち時間短く、通院日数も少なく受診できる点が、消化器内科の特徴の一つだ。同科の吉田氏が語る。 「どなたも待ち時間が短くて通院日数も少ない診療を望んでいらっしゃいます。とくに当クリニックの場合はビジネスの最前線で活躍する現役世代の受診が多いため、できるだけスピード感ある診療をするように心がけています。

例えば、腹部疾患の診療の基本は超音波検査と内視鏡検査ですが、朝食を抜いて来院していただければ、初診当日に検査ができるように努めています。なるべくその日のうちに診療の方向性を決めるようにしています。医療の立場から、スピード感を含めてトータルに現役世代を支え、ひいては社会や経済をよりよくすることに貢献できればと考えています」

一方で、医療は早ければいいというものではないことは、論をまたない。

「たとえば腹痛や便通異常は、多くの場合コモンディジーズとして診断し、治療できますが、重大な疾患を発見する糸口としても見逃せない愁訴の一つです。症状、理学所見、検査結果から懸念がある場合には、すみやかに他科の先生方のご意見をお聞きするのは非常に大切なことです。腹部症状の場合には泌尿器科や産婦人科、最近増加している喉の症状については耳鼻咽喉科が主な連携科ですが、当クリニックにはすべての科があり、すぐにコンサルトが可能な距離感です。そのおかげで消化器診療の質を担保できている点は当クリニックの大きな強みです」

内視鏡医とコメディカルの協調

吉田行哉

同科にはもう一つ、ハイレベルなことで特筆すべきものがある。がん早期発見やヘリコバクター・ピロリ胃炎の診断に威力を発揮する内視鏡検査だ。三宿病院勤務時代に、黎明期であった経鼻内視鏡の可能性をいち早く見抜き、エビデンスを整えた論文を世に送り出した吉田氏は、経鼻内視鏡普及の功労者としても知られているのだ。

現在は、光源にレーザー光を用いたレーザー内視鏡を導入・稼働させ、病気の拾い上げや診断に優れた機能を発揮している。

「内視鏡を導入するにあたっては、当クリニックのコメディカルの優秀さを強く実感させられました。内視鏡介助については未経験者ばかりだった看護師たちが前向きに学び、着々と、内視鏡検査スタッフとしての実力を伸ばしてくれたことに感動しました。腹部超音波もレントゲンも優秀な技師がいてくれるので、クリニック内できわめて精度の高い検査が実現しています。そういった環境を整えてくれた事務部門も含め、医師を支えるスタッフの総合力が、当クリニックの底力になっていると確信します」

経鼻内視鏡の伝道師のごとき評価を得た吉田氏だが、現在は経鼻と経口の両方で内視鏡をおこなっている。

「経鼻は楽だとわかっていても鼻から内視鏡を通すことへの抵抗感が強い方もいらっしゃいます。ピロリ菌感染の少ない若い方に心窩部痛の精査を目的に内視鏡をおこなうと、実臨床では意外に多く、ピロリ菌による胃炎が見つかります。まずは内視鏡検査をおこなうことが大事と考えています。そのためには、場合によっては鎮痛剤を併用しながら、経鼻、経口にこだわらず患者さんのご希望に合わせた検査方法を選択しています。

指定難病の治療には、バイオ製剤も使用

時の総理大臣が、それを理由に退陣したことで話題となった潰瘍性大腸炎は、クローン病と並んで難病に指定されている消化器疾患。若年層や働き盛りに発症者が多く、同科にも患者が訪れる。

「この分野はバイオ製剤に代表される最先端の薬物療法が次々と出ていますが、これらの薬剤をいかに使うかが患者さんのQOLを左右します。私の三宿病院時代の後輩でバイオ製剤の経験が豊富な医師を非常勤で招聘し、協力して、この患者さんに最適な治療は何かを考えながら、適切な薬物療法をおこなうようにしています」

院内、院外の人的ネットワークを駆使して消化器疾患に対応する医療は、さまざまな疾患の患者さんたちから揺るぎない評価を獲得しつつある。

「医学部卒業後すぐに、臨床家としての力をつけたくて虎の門病院に入りました。そこで学んだ患者オリエンテッドな医療を、今、クリニックのスタッフたちと力を合わせ、かたちにすることに大きなやりがいを感じています」

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